鬱の彼氏が旦那になるまで

鬱の彼氏との日々をつらつらと

大好きな人に「生きたくない」と言われた

大好きな人が「生きたくない」と言った。

その一時間前、試用期間だった契約の更新をしないと上司に言われたからだ。

彼の頑張りは私も見ていたから、悔しい。本当に悔しい。
夢だった業界に飛び込んで、引き継ぎもろくにない中で必死に頑張ってきた。質問した答えが間違えていても、二人分の仕事を一人で回さないといけなくなったときも、月300時間労働なってもめげずに頑張った。
休日も自社製品を取り扱っているのにポスターを張っていない店を見かけると、会社まで取りにいって、デートそっちのけで営業を始めるくらい、生き生き働いていた。

そんな姿を見ているから、本当に悔しかった。

電話口で泣きながら、その事実を伝えてくれた。正社員になったら結婚しようと言っていた彼女に、この事実を伝えることがどれだけ苦しかったか…。女の私には想像もできない。
混乱しながらも自然と「勇気を出して電話をくれてありがとう」と伝えていた。

正直、電話を切りたくなかった。電車にのって今すぐに会いに行きたいが、電話も切りたくない。
切ったらこのままお別れな気がしたから。
映画の観すぎと言われるかも知れないけど、あのときは本当にそう思った。

電車のなかでは気が気ではなかったし、本当に心臓が痛すぎて辛かった。

結果として、彼はいつもの場所でちゃんと待っていてくれた。ほっとした。

そのあとは帰り道も家についてもひたすら僕はダメな人間だ、誰にも必要とされていないばかり繰り返す。

私がこんなにも彼を必要としているは、伝わっていないようだし、しまいには私がほしいのは憧れの会社に勤めているステータスをもった彼氏だとかいいはじめて、さすがの私も悲しくて涙がでた。

転職前からずっと付き合ってるし、私が心配してるのはステータスや将来のことではなく、彼の心とからだ、そして命なのに。

そんなことを思っていたら、自然と涙がでてきた。

何で泣いてるのかわからないという彼氏に、こんこんと私の不安の原因を説明した。
電話を切ったら電車に飛び込むんじゃないかとか、ふらふらと車道に飛び出すのではとか、いろいろ考えながら不安でしょうがなかったこと。
顔を見て安心したけど、しっかりしなきゃと泣かないように必死に堪えていたこと。
ステータスやお金じゃない、生きているだけでいいんだということを。

「そんな風に思ってくれるなんて…。こんなダメなやつはだれにも必要とされないと思っていた」とまた泣いていたけど、たぶんこれは嬉し涙だと思う。

やっぱり思っていることは言わないとダメだなあと再確認。


ちなみに、彼氏がおかしくなったのは事務のお姉さん曰く「ここ10年で一番空気が悪い状態」の部署とその原因の上司、そして、会社一の嫌われものの嫌がらせのせいらしい。その上司は先日降格になったことからも、おそらく事務の方のいっていることは間違いではなさそう。

回りから観ても劣悪な環境だったことは明白なのに、すべて自分の力不足と自分を追い詰めてしまうのが彼の悪い癖。だけど、今回の件で「全部自分のせいだなんて思わないこと」を学んでくれたら嬉しい。

30前の若造だからこそ、この経験をいい思い出にできるようこれから二人で努力していかないといけない。

貴重な経験をくれた彼にもう一度ありがとうを。

今日のことを忘れないようにしよう。